漫画レビュー『外道の歌』を読んで極悪人の心理を学ぶ

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お勧めしてもらった漫画を読みました。

そのレビューを書いてみたいと思います。

『外道の歌』

法で裁くことのできない悪人たちを復讐代行業者が懲らしめていく、というお話。

主人公たちは現代の刑法の代わりに、古代バビロニア的なやり方(つまり「眼には眼を」方式)で悪人を裁いていく。

性犯罪の男に対しては、ち◯こを切り落とすことで落とし前をつけさせる、というような。

読んでいてなかなか爽快感があります。

「闇金ウシジマくん」ばりにリアルな極悪人ばかり登場するので、頭のネジが根本的にズレちゃってる人たちの心理を学べる漫画ですね。

例えば、犯行の途中で必死の抵抗にあった犯人が勢いで被害者を殺してしまうようなケース。

こういうとき悪人は「抵抗した相手が悪い。自分は絶対に悪くない」と心の底から本気で思う。

殺人者や性犯罪者、そしてパワハラで社員を自殺に追い込む社長や、宗教法人の立場を利用して檀家さんから金を巻き上げまくる住職などが登場するが、みんな良心の呵責は微塵もない(怖っ)

あと、昔ワイドショーによく出てきた「引っ越しおばさん」をモチーフにしたようなキチ◯イ人物も登場して面白い。
些細なきっかけでこういうのを敵に回したら最後。
思考回路や行動パターンが常軌を逸していて、猜疑心と粘着質に満ちた嫌がらせが永遠に続く。そういうサイコパスの特徴がリアルに描かれてます。

で、ちょっとつまらない話になるが、江戸時代の末期に「白波物」というジャンルの演目が流行った(ペリー来航の後くらい)。

泥棒や盗賊たちを主人公にしたジャンルなのだが、彼らは決して極悪人ではなく、どちらかと言えば市井の庶民で、義理人情に厚かったりする。
弱きを助け強きを挫く「鼠小僧」などが有名だが、日本人は昔からこの系譜が好きなんだと思う。
ルパンとか、他にも小説や漫画には反社的なヒーローが多い。ワンピース(海賊?)は読んだことないからわからないけど。

一方、アメリカの「バットマン」は金持ちの御曹司で、庶民的なところはなく、義理や任侠みたいなものとも無縁なイメージだから、はやり日本的なダークヒーローのイメージとは違う。

白波物が流行ったのは、当時、江戸の社会が閉塞感に包まれていたからだとよく説明されるけど、現代もそうなんでしょうか(知らんけど)。

ちなみに本作では、悪人の口をテープでガチガチに塞いだままじっくり拷問が行われるため、全編を通じてもっともよく出てくるセリフは「うもぉぉぉぉ‼︎」です。

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