この記事ではアップルウォッチの現行シリーズ(3,SE,7)について、それぞれの機能や性能について詳しく解説しています。どれを買おうか迷っている方のお悩みを解決いたします。
■GPSモデル
iphoneとペアリング、またはWiFiに接続して通信を行う。
※WiFi接続の場合、音声通信(電話)は利用不可。
■GPS + Cellularモデル
通信事業者(ドコモ・au・ソフトバンク)と契約し、4G回線で通信を行う。
②au ¥350/月
③ソフトバンク 350/月
契約のためにショップへ行く必要はなく、Watchアプリから登録できる。
アプリの[設定]画面→[モバイル通信]→[モバイル通信を設定]→スマホ契約済みのキャリアの画面→認証番号入力(4桁)
※ 通信事業者と契約をしなければ実質GPSモデルと同じ。
※ 格安SIMの利用者は契約不可。
※ オンライン専用プランの利用者(ahamo、povo、LINEMO)も契約不可。
GPS+CellularモデルはeSIMを搭載しているため、Apple Watch単体で通話や通信ができるというのが大きな特徴ですが、それを利用するにはiPhoneと電話番号を共有するためのサービスに登録する必要があります。
具体的には「ワンナンバーサービス」(NTTドコモ)、「ナンバーシェア」(au)、「Apple Watchモバイル通信サービス」(ソフトバンク)といったサービスで、いずれもiPhoneを扱っている大手3キャリアのメインブランドが提供しています。オンライン専用プラン(ahamo、povo、LINEMO)ではこれらのサービスが利用できません。
CellularモデルはiPhoneを自宅に置いてランニングやスポーツに出かける人、ビジネスなどで電話を取り逃がしたくない人向けだと言えます。
国内ではauが「ウォッチナンバー」(アップルウォッチ専用の通話&データ通信プラン)でファミリー共有設定に対応。料金は月額385円(データ利用量250MB/月)。ただし、2年目からは1,980円(2年契約時、3人以上の「家族割りプラス」適用時)となります。
※ウォッチナンバーについての補足。
auは12月21日より、au以外の回線の利用者の加入申し込み受付を全国のauショップで開始しました。
■GPSモデルの場合、iPhoneが近くにない場合やWiFi接続がない環境(つまり通信ができない状況)で何が行えるのか?
■GPSモデル単体でできること。
ワークアウトの記録 ◎
Apple Payでの買い物(IDやQUICPayも) ◎
SuicaやPasmoで改札を通る ◎
SuicaやPasmoへのチャージ ×
あらかじめ同期した音楽を再生 ◎
ストリーミング音楽再生 ×
電話やメッセージ ×
天気の確認 ×※ワークアウトに関して、GPS機能が付いているので、例えばルートや距離なども単体で記録できます。消費カロリーや歩数の記録などもOK。
※Apple MusicとSpotify(プレミアム会員のみ)は事前にデータをダウンロードしておけばオフライン再生が可能です(ただしアルバムまたはプレイリスト単位)。
Apple Musicの場合、ダウンロード項目はiphoneの[ウォッチアプリ]から選択し、その後、アップルウォッチの充電中にダウンロードが行われる。つまり出先で追加はできません。
itunesにダウンロードされた曲も再生可能。
■本体カラー
①Series 3
シルバー・スペースグレイ(2色)
②SE
シルバー・スペースグレイ・ゴールド(3色)
③Series 7
ミッドナイト・スターライト・グリーン・ブルー・レッド(5色)
■サイズ
① Series 3
38ミリ/42ミリ
②SE
40ミリ/44ミリ
③Series 7
41ミリ/45ミリ
※シリーズごとに本体の大きさだけでなくベゼル(縁取りの黒い部分)の面積が減って画面が広くなっています。スクリーン領域について、Series7はSeries3よりも50%以上も広くなっています
■ストレージ
①Series 3
8GB
②SE
32GB
③Series 7
32GB
■ケース素材
①Series 3
アルミニウム
②SE
アルミ
③Series 7
アルミ、ステンレス、チタニウム
※GPSモデルの素材はアルミのみ。
ステンレスは、アルミより上質で傷にも強い。美しく輝く光沢があり高級感はNo.1。
チタンケースは軽さと高級感を兼ね備えた万能素材。
バンド単体でエルメスモデルのものを購入することは可能です。ただし、エルメス限定の文字盤はエルメスモデルの本体でなければ使えません。
■常時表示ディスプレイ
Series 5以降で搭載。
「常にオン」がデフォルトで有効になっています(オフに切替も可)。このモードでは、時刻が常に表示され、文字盤や最近使った App も同様に表示され続けます。
※バッテリーを節約するため、手首を下げたときや、文字盤を手で覆うジェスチャをしたときは、画面が暗くなります。
※ Apple Watch SEは常時表示ディスプレイが非搭載ですが、腕を上げると瞬時に画面が付く仕様になっています。
■耐水性能
すべてWR50(水深50メートルの耐水性能)
■防塵性能
すべてIP6X
■血中酸素濃度
Series 6以降で搭載。
血中酸素ウェルネス App を使って、血液中に取り込まれた酸素のレベルを測定できます。
血中に取り込まれた酸素のレベル (血中酸素濃度) とは、赤血球によって肺から全身に運ばれる酸素の割合のことです。
ほとんどの人の血中酸素濃度は 95〜99%ですが、95%以下になっても通常の生活を送れる人もいます。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、重症化の目安となる血中酸素飽和度を測定できるパルスオキシメーターが注目されています。
肺炎になり肺がダメージを受けると、肺から血液中に酸素が十分に行き渡らず、酸素飽和度が低下します。血中酸素濃度の測定は、新型コロナ患者の病状の判断目安として用いられています。医療機関ではパルスオキシメーターという機器を使い(LEDの光を用いる血中酸素飽和度センサー)、患者の指先に装着して動脈血液中の赤血球ヘモグロビンが酸素と結合している比率を測定します。厚労省の研究班が策定した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」によると、新型コロナウイルス感染症患者の血中酸素飽和度が「96%以上」は軽症、「93%超〜96%未満」は中等症Ⅰ(呼吸不全なし)、「93%以下」は中等症Ⅱ(呼吸不全あり)と評価しています。患者のICUへの入室や人工呼吸器が必要であれば、重症と判断しています。
新型コロナウイルス感染症による肺炎の患者においては、血中酸素飽和度が50パーセントと著しく低くても、低酸素血症に特有の息苦しさを患者が感じない事例が報告されています。
このような【無症候性低酸素症】の患者の容態を見極める上で役立ったデヴァイスが、指に装着するだけで簡単に血中酸素飽和度と心拍数を測定できる小型のパルスオキシメーターだったのです。
従来は、動脈から採血しないと測定できなかったデータが簡便に得られるようになり、酸素飽和度は「血圧・脈拍・体温・呼吸数に次ぐ第5の生体サイン」ともいわれています。
Series 6で新たに搭載されたパルスオキシメーターは、15秒で血中酸素飽和度を測定します。まず、本体裏側に配置されたセンサーがLEDによる赤色、緑色、赤外線の光を手首に当て、反射光の量を測定する。この反射光に基づいてアルゴリズムが血液の色を判定し、血中の酸素濃度を算出する仕組みです。
このセンサーによってApple Watch Series 6は、バックグラウンドでも血中酸素飽和度をときに測定し、iPhoneのアプリ「ヘルスケア」に記録します。つまり、寝ているときなどにApple Watch Series 6を身につけているだけで、勝手に血中酸素飽和度を測定してくれるのです。
※現段階では、パルスオキシメーターを搭載したApple Watchの機能だけでは新型コロナウイルス感染症の検知の決め手にはなりません。
新型コロナウイルス感染症への感染を診断するには、やはりPCR検査などが必要になります。
■心拍数機能
① Series 3
光学式心拍センサー
②SE
第2世代 光学式心拍センサー
③Series 7
第3世代 光学式心拍センサー
□□シリーズ共通機能□□
■アラーム
Apple Watchでは振動で時間を知らせてくれるアラーム機能を搭載しています。
目覚まし時計を鳴らさず自分だけ起きることが可能。
■通知
各種アプリの通知確認ができます。
■マップ
Apple純正マップアプリで地図を表示できます。
■電話・SNS
セルラーモデルのApple Watchなら単体で電話ができます(iphoneが近くになくても電話を取り逃がすことがない)。
GPSモデルの場合は、iPhoneが通信範囲内にあれば通話可能です。
■LINE
LINEの新着メッセージ確認と、簡単な返信ができます。
* 定型文
* スタンプ(一部)
* 音声入力
* 音声メッセージ
■電子決済
Apple Pay(←iphone7以降)に対応しているため、①Suica ②PASMO ③iD ④QUICPay ⑤LINE Pay ⑥WAON ⑦nanacoの電子決済が行えます(SONYが開発した非接触ICカード技術FeliCaのICチップを搭載しています。お店の決済端末を経由して、カード会社への通信を行うのでデータ通信を必要としません。つまりGPSモデル単体でも支払いを行うことができます。)。
NFCには3種類ある。
Type A(例:Taspo/オランダ発)やType B(例:マイナンバーや免許/アメリカ発)などの規格があり、FeliCaはType F(日本のメジャーなキャッシュレスで採用)である。
同じFeliCaを利用したサービスでもその名称は異なる(おサイフケータイ・Apple Pay・Google Pay)。アプリとクレジットカードを紐付けてオンラインでチャージできる。残金は内蔵のICチップに内蔵されている。
タッチ端末からは磁界が発生しており、PASMOに入っている導線(コイル)に磁界が流れたとき電流が発生。その電流がICチップに働きかけてデータのやり取りが行われる(電磁誘導)。
(Apple Payを利用するためには、iPhoneに標準装備の「Wallet」アプリにApple Pay対応の電子マネーやクレジットカードを登録する必要があります。2者の関係は文字どおり財布とお金、Walletアプリから電子マネーやクレジットカードという”お金”を取り出すしくみがApple Payなのです。
そしてその”お金”の代表格が、ここ日本では「Suica」と「PASMO」になります。一旦walletに取り込むと物理カードは使用できなくなる)
※SuicaとPASMOで改札を通る場合、改札のタッチ部分が右なのでApple Watchを左腕に身に付けているとタッチしづらく、慣れが必要です。
Apple PayのPASMOは、複数のデバイスで同期して使うことはできません。機種変更、あるいは端末故障時は、旧端末(それまで使っていた端末)からの切り替えが必要です。その際には、新旧で同じApple IDでサインインする必要があります。
まず旧端末で、PASMOのデータをサーバーへ退避させる。これは通信がつながる環境で、WalletアプリからPASMOを削除するだけ。もし端末紛失・故障の際には、会員メニューサイトにおグインして、PASMOを再発行することになります。
新端末では、Walletアプリを起動し、PASMOを選び、サーバー退避されたPASMOを選ぶという流れになります。
Apple PayのPASMOからAndroidのモバイルPASMOへデータを引き継ぐ方法はありません。
※エクスプレスカード設定
Touch IDやFace IDなしですぐ使える「エクスプレスカード」は、日常的にPASMOを使う人にはおすすめしたい設定です。
Apple Payでは、最初に登録した交通系ICカードが自動的にエクスプレスカードに設定されます。2枚目以降は自動設定されず、Walletアプリから手動で設定する必要がある。
■QRコード決済
PayPayのみ。
※GPSモデルでは単体で使用できない。
■心拍数の計測
* 安静時
* 呼吸セッション(瞑想)時
* 歩行時
* 運動時
* 運動後の回復時
また、不規則な心拍があったときに通知を受けられる。
■フィットネストラッカー
ワークアウトAppを使えば、運動時間、走行距離、消費エネルギーなどを記録できます。
※WatchOS 5以降では運動を始めるとApple Watchが自動で検知して、記録を始めるか通知してくれます。
■睡眠時間の記録
睡眠時間の目標を立て、達成度合いを確認できます。
起きたときに睡眠時間を確認したり、過去14日間の平均睡眠時間を確認したりでき、健康維持に役立ちます。
■Apple製品との連携
①Apple Watchを身に着けてMacに近づくと、自動的にログインできます。
②iPhoneを探す
③iPhoneのカメラ操作
カメラリモートAppを使えば、iPhoneのカメラをコントロールできます。
主な機能は以下の通りです。
* プレビュー(写る範囲の確認)
* フォーカス位置の調整
* シャッター
* セルフタイマー
④AirPods / AirPods Proの操作
操作できるのは以下の機能です。
* 再生 / 停止
* ボリューム
* 曲送り / 曲戻し
* ノイズキャンセリング / 外音取り込み(AirPods Pro)
※Apple Watchにはスピーカーが搭載されていますが、音楽再生には使用できません。
別途、AirPods ProなどのBluetoothイヤホンやヘッドホン、スピーカーが必要です。
⑤Siriコマンド関連
GPSモデル単体では使えない。
■Apple Watchでできないこと
* 血圧・血糖値の測定
* 動画鑑賞
* 電子書籍
* ネットショッピング
* スキューバダイビングなど
以上です。参考になりましたでしょうか。お役に立てれば幸いです。
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